セイクリッド
「ここは高天原(たかまがはら)。人ざるものの住まう世界だ」


にっこりと、嘘なんかひとつもついていないとでも言うような……素直そうな笑顔と声色。



「冗談…ではなく?」


怒る気にならなかったのは、この人の柔らかな空気の所為だったと思う。



それからもう一つ。


その時、頭の中に『Sacred places』の世界が浮かんできたからだ。



神々の住まう国・高天原。

そんな世界があったら、どんなに素敵だろうって…私はずっと思っていたから。




< 126 / 204 >

この作品をシェア

pagetop