セイクリッド
「一口に‘神’って言っても…いろいろあるんだね」

「簡単に言うと、高天原に住むモノを‘天津神’(あまつかみ)。マリアの世界に腰を据えているモノ達は‘国津神’(くにつかみ)って呼ばれてる」

「ミコトは物知りだね」

「マリアよりは詳しいな」



振り返ったミコトは、楽しそうな笑みを浮かべた。

私を見下ろす目が、透き通るようなブルーで思わず見ほれてしまう。



「きっと、俺と過ごしたらいろいろ詳しくなるよ。そしていつか、帰る方法を見つけてあげるから…だから安心して俺を信じなよ」


見つめ合うみたいな形になっちゃったけど、それで照れたのは私だけ。


ミコトは、殺し文句を口にしておきながら、なんでもないことみたいにまた歩き出した。



< 153 / 204 >

この作品をシェア

pagetop