セイクリッド
なんだか、ふたりを見ていると……

まるで、主と従者を見ている気になる。


シグレの口調が、敬語だからだろうか?




「よいしょ…さて、宿に移動しよう…詳しい話はそっちでするよ」

「…」

「はい」



一度私に笑いかけてから、ミコトは先を歩き出した。

その後ろを一歩遅れた形で歩く……シグレと私。


謀らずとも隣で歩く形になってしまい、なんだか気まずい気持ちになる。


けれど、今更自分から距離をとったりしたら、失礼な気もするから、私は俯きがちに歩いた。



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