セイクリッド
「私、家族いないんだよね」

「……」

「家族みたいな人たちに囲まれてたし、その人たちのことを本当の家族みたいに好きだけど……やっぱり少し違うんだよね」

「……」

「両親の顔も知らないし、自分のことも何にも知らないから……時々すごく寂しくなるんだ」

「……」

「友達が一緒にいてはくれるけど、夜眠るときとか、無性に泣きたい気持ちになる」

「……」

「ミコトには、わからないかな」



自分で語っておきながら涙が流れそうになって、私はぎゅっと目を閉じた。

すると、

「いや――…わかるよ」っと、ミコトが言う。


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