セイクリッド
ゆっくりとそっちに視線を向けたら、優しい瞳と視線が重なった。


「孤独を感じるんだよね」

「…そう」

「周りに誰もいないってわけじゃないし、ひとりじゃないってわかってはいるけど、自分はひとりだと…誰もいないと思うんでしょ」


私の心を代弁したみたいなミコト。


「…どうしてわかるの?」っと問いかけてみると、ミコトは曖昧な笑みを浮かべた。




「もう少し眠りなよ」

そしてそう言いながら、私の髪を軽く撫でて、「シグレの様子を見てくる」っと、私のそばを離れていった。


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