セイクリッド
「そうだ。言い忘れてた」

「え?」


日の出と共に外を歩き出して、13個目の曲がり角にやってきた頃、突然ミコトがそう言った。



「マリア。‘キャンプ’ってやつをしたことあるんでしょ?」

「うん?小さい頃は時々…」

「なら大丈夫かな?俺達、いつも宿をとってるわけじゃないんだ」

「……」

「町に偶然たどり着けるときもあれば、そうじゃないときもある……そんな時は、野宿しなきゃいけない」

「……」

「それでも大丈夫?俺達と旅に出る?」

「え」

「ん?」

「え、それ…本気できいてる?すごい今更じゃない?」

「……ごめん。やっぱり嫌?」


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