セイクリッド

「それ、暗に古いっていいたいんでしょ」

「ん?いやいや~滅相もない…」


私が不機嫌そうな声をだすと、大介は都合が悪そうに視線を泳がせた。



「そういえば俺、その本の内容…最後しか覚えてねぇや」

「え?貸してあげようか」

「遠慮しておきます」


丁重に断られてしまい、差し出した手をすぐに引っ込めた。


『Sacred places』は、とても素敵なお話だけど、‘めでたしめでたし’では終わらない。


切ない別れの本なのだ。


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