セイクリッド
「それで、わざわざ私を捜してた理由は?」


図書室から離れ、歩きながら問いかける。



「あぁ、あのさ?マリアって定期的にホームに連絡いれてんの?」


かけられた予想外の言葉に、私は首を傾げた。



「突然なに?」

「最後に連絡いれたのいつ?」

「……」


大介の言う‘ホーム’とは、両親に捨てられ、孤児だった私が中学卒業まで暮らしていた…海原養護施設のことだ。


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