セイクリッド
土曜日、朝早くに駅構内のカフェに待ち合わせた。



「おはようマリア」

落としていた視線を声のほうへむける。


「大介。遅刻だよ」

「悪い悪い…ちょっと寝坊した」



顔の前で手を合わせた大介は、はぁっと息を整えながら向かい側の席に腰掛けた。


私は予め買っておいたカフェオレを大介に差し出し、「あのね」っと切り出した。



「私昨日…ホームに電話してみたんだ」

「あ、まじ?それでなんだって?」

「うん、やっぱり入院してるんだって……だから病院教えてもらっといた」



直接病院にいけるでしょ…っと続けながら、お見舞いのお花を入れた紙袋にちらりと視線を落とした。



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