セイクリッド
「あのさ、結構前に話した事あるでしょ?変な夢をみるって」

「……あ~」


視線を宙に浮かせた大介を見ると、どうやら覚えてないらしい。




「私が暗い道をずっと歩いていくんだ。誰もいなくて、星がすっごく綺麗で」

「……」

「それで、誰かが私を呼ぶ……‘マリア’‘気づいて’って」

「ただの夢だろ?」

「うん。そうなんだけどね?夢の中で歩いてる道に覚えがあるんだ……話を聞いたばっかりだから余計にそう思うのかも知れないけど……」

「……」

「あの夢って、その時のことなんじゃないかって思う」


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