セイクリッド
だって、本当になんとなくだったから。



「……」

そんな私を見下ろしながら、大介が深く息を吐き出した。



「お前危ないから、このまま行くからな」


腕じゃなくて、手首を持ち直しながら、私が向かっていた方向に歩き出す。



手を繋がないのが、なんとも大介らしい。



仲が良くても、恋人同士ってわけじゃないから、大介はそうしたんだと思う。


< 95 / 204 >

この作品をシェア

pagetop