想い出の蒼空

お世話係り



「……いらっしゃい」


声をいつもより少し下げて、にこにこ笑うまっちゃんをほんの少し睨む。



「ん?どうした顔が怖いぞ」


あんたのせいだよ。



私が苛ついていることに気付いてないのか未だにニコニコ…否、へらへらしている。



「あっそうだ。今日帰るの面倒だから泊まっていくから。布団用意しといて」


「は?」


えっ何この人、自己中過ぎるでしょ。



「無理。片付けてないから。帰って」


この人と同じ空間で寝たら、次の日元気に朝を迎えられない、絶対。



「おぉ。意外と片付いているじゃねぇか」



何で勝手に入ってるのかな?



この人は不法侵入という言葉を知らないので しょうか。



お巡りさん。あの人を今すぐ刑務所に連行し て、少しでいいのでこの呑気な性格を治してくれませんか。




ガチャンッ



………………


お巡りさん。あの人は器物破損という言葉も知らないようです。



「はぁ」


ため息をして、開けっぱなしのドアを閉じリビングに戻る。



ガチャ



「おい美琴!!何だこの寝心地の良すぎるもの は!!」



「ソファーですが」



扉を開いた部屋にはソファーに寝転がり興奮しているまっちゃんの姿があった。



まっちゃん…いくつですか…。



「いやぁ、広いな~」



もはや自分の部屋のようにくつろぎだすまっ ちゃん。

< 10 / 13 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop