想い出の蒼空
お世話係り
「……いらっしゃい」
声をいつもより少し下げて、にこにこ笑うまっちゃんをほんの少し睨む。
「ん?どうした顔が怖いぞ」
あんたのせいだよ。
私が苛ついていることに気付いてないのか未だにニコニコ…否、へらへらしている。
「あっそうだ。今日帰るの面倒だから泊まっていくから。布団用意しといて」
「は?」
えっ何この人、自己中過ぎるでしょ。
「無理。片付けてないから。帰って」
この人と同じ空間で寝たら、次の日元気に朝を迎えられない、絶対。
「おぉ。意外と片付いているじゃねぇか」
何で勝手に入ってるのかな?
この人は不法侵入という言葉を知らないので しょうか。
お巡りさん。あの人を今すぐ刑務所に連行し て、少しでいいのでこの呑気な性格を治してくれませんか。
ガチャンッ
………………
お巡りさん。あの人は器物破損という言葉も知らないようです。
「はぁ」
ため息をして、開けっぱなしのドアを閉じリビングに戻る。
ガチャ
「おい美琴!!何だこの寝心地の良すぎるもの は!!」
「ソファーですが」
扉を開いた部屋にはソファーに寝転がり興奮しているまっちゃんの姿があった。
まっちゃん…いくつですか…。
「いやぁ、広いな~」
もはや自分の部屋のようにくつろぎだすまっ ちゃん。