想い出の蒼空
正直言って、おばあ様は苦手だ。
普段はとても優しいから苦手というより、寧ろ好きなんだけど、家の事に関係するとなると性格が変わってしまう。
その時のおばあ様ことだけは、どうしても好きにはなれない。
私は小さい頃に両親を亡くし、母の実家である波留那家に引き取られた。
でも、両親は駆け落ちだった為か、親戚の人達からはすごく嫌われていた。
それでも今こうして心を折れずにいられるの は、おばあ様や広山ことまっちゃんの2人がいてくれたから。
本当に2人には感謝している。
元々、人と関わることが苦手なのか余り自分から話すことがない。
おかげで、今まで2人に感謝の言葉を伝えたことが……ない。
だから、言葉で駄目ならと毎年感謝を込めて、2人の誕生日とクリスマスの日にプレゼントを送っている。
プレゼントを渡す度にとても嬉しそうな顔でお礼をいってくれる。
まっちゃん曰く、2人が笑うと普段動かさない表情筋が緩むらしい(つまり笑っている)。
とても貴重だとか言って笑っていた。
自分では分からないけど、確かに2人が笑顔だと私はすごく嬉しいし、とても心が温かくなる。