本当のキミ〜君から見えるキミ〜
「何か笑われるようなこと言ったっけ?まぁ、いいや。ところで、さっきの質問の答えは?」
さっきの質問とは、この場所が好きなのかという質問か。
「私、この場所初めて来たから知らないの。あなたは?」
そう、この芝生はみんなが通る道とは反対の静かな場所。
私は、近道だと思って初めてこの場所に訪れたのだ。
「俺はこの場所好きなんだ。静かだし。」
そう言って彼はまた寝そべった。
なんとなく、講義をもう受ける気分にもならなかったので彼の横に座った。
もちろん距離を開けて。
キャンパス内の端に位置するこの場所は静かで、緑もあって心地いい。
ちらっと彼を盗み見ると寝ていないようだ。
彼はまた、空を見ていた。