本当のキミ〜君から見えるキミ〜



「悠哉、また空を見ているのね」


芝生に寝そべる彼の横に座るのが私の定位置。



「あー。今日の空は雲が少なくて青い」



言われて私も空を見上げた。青々とした空はなんともいえず綺麗だった。



「ねぇ、悠哉」


「んー?」



この悠哉の返事が私は好き。



「……まだ、寂しいの?」


初めて話したとき、彼は寂しいと言った。



答えなんて聞かなくてもわかるよ…



「…あぁ。寂しいよ」



ほらね。だって、彼の瞳は半年前から少しも変わってないんだから。





< 9 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop