愛し愛されて。



[奈々side]



突然屋上に連れてこられて
恋バナを聞かされて
すごくびっくりした。



でも、なんだか
聞いてると…なんか
懐かしいがした。



「この指輪と…ブレスレットは一生の宝なんだ…」



谷田部くんが
自分の手を見た。



「そ、それ…」



すぐに隠されちゃったから
よく分からなかったけど
私のと同じだったような。



屋上…はじめてきたけど
やっぱり何か懐かしい。


それに…谷田部くんの手。
温かくてははじめて繋いだ
気がしなかった。




「指輪…」



私は指輪をはずし
はめなおした。



「!!!」



遊園地…

観覧車…

温かい体…


私は何かを思い出した。


観覧車の中…

指輪を交わした。




『愛してる。ずっと一緒にいような、奈々。』


『うん。優ちゃん愛してるよ。』



あっ!!!



「ゆ…優…ちゃん?」



優ちゃんだ!


さっきの谷田部くんの
恋バナ…全部私のこと?


遊園地デート…


私、優ちゃんのこと
忘れちゃってたんだ。


わたし…



「優ちゃん!」




私は走り出していた。




< 45 / 52 >

この作品をシェア

pagetop