黒猫ライアと白猫アイラ 【短編】
アイラ、アイラ


『アイラ、アイラ。』


黒猫ライアがアイラを呼ぶ。


「なぁに?ライア。」


白猫アイラがライアに問う。


『お腹がすいた。』


ライアの言葉にアイラはひとつ溜め息を吐くと、魚屋さんの目を盗んで魚を1匹取ってきた。


「はい、ライア。」


『ありがとう、アイラ。』


黒猫ライアは満足そうに魚を食べた。


それを、白猫アイラはじっと見ていた。


『アイラは食べないの?』


ライアが訊くと、アイラはふわりと微笑んだ。


「お腹、すいてないから。」


< 1 / 10 >

この作品をシェア

pagetop