黒猫ライアと白猫アイラ 【短編】


『アイラ、アイラ。』


黒猫ライアがアイラを呼ぶ。


「なぁに?ライア。」


白猫アイラがライアに問う。


『喉が渇いた。』


ライアの言葉にアイラはひとつ溜め息を吐くと、ぴゃっと公園の中へ走っていった。


「はい、ライア。」


白猫アイラはウォータークーラーにひょいっと登ると、ライアに水を飲ませた。


『ありがとう、アイラ。』


黒猫ライアはピチャピチャと美味しそうに水を飲んだ。


白猫アイラは、そんなライアをじっと見ていた。


『アイラは飲まないの?』


ライアが訊くと、アイラはふわりと笑みを見せた。


「喉、渇いてないから。」


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