黒猫ライアと白猫アイラ 【短編】
『アイラ、アイラ。』
黒猫ライアがアイラを呼ぶ。
「なぁに?ライア。」
白猫アイラがライアに問う。
『痛い?』
ライアの言葉にアイラは少し考えてから言った。
「痛くないよ。」
白猫アイラの体には無数の傷が付いており、白く柔らかな毛並みは汚れてボロボロだった。
『強いんだね、アイラ。』
黒猫ライアは無垢な瞳でアイラを見つめた。
白猫アイラは、そんなライアをじっと見ていた。
『本当に痛くない?』
ライアが訊くと、アイラは苦笑した。
「全然、痛くない。」