逆ハー?いいえ、これはリンチです!
さよなら、友達になってくれそうだった第一号さん…。



「マジ?じゃ、携帯買ったら教えてよ。」

『えっ?』

「ね?」

『は…はいっ!』




なんていい子なんでしょう。笑顔も眩しいわ。



それに比べて、このパツキン野郎。まだ私の事睨んでるよ。え?何か用ですか?私は用はありませけど。



「よし、お前等廊下に列べ~。」



ナイスタイミング。パツキン野郎の痛い視線を受けなくすみます。有難う、ティーチャー。



小野田さんに「行こう」と笑顔を向けられ、私も釣られて笑顔になった。居るだけで幸せになれそう。



適当に列び、これから学校案内が始まる。一階から順に先生が案内していくが次第にクラスの人達は列を乱し、ガヤガヤとダラダラと先生の後についていく。



私もその一人。小野田さんと話をしている。



「あのさ、私達もう友達じゃん。苗字で呼ばないで、名前で呼び合わない?」



と…友達ぃ!?



今聞きました?小野田さ…じゃなくて、美咲ちゃんが「もう友達じゃん。」って。



『うぅ…』

「えっ!?ちょ、どうしたの!?私、変な事言った?」

『ううん…違うの。嬉しくてつい。』



「可愛ーい」と叫ぶ美咲ちゃん。ちょっと、ここ廊下なんですけど!?みんな見てるんですけど。恥ずかしい…。



でも、ちょっと嬉しい。



「邪魔…。」



誰よ!私と美咲ちゃんの友情記念日一日目に「邪魔」って言った奴は!ハッ!一人しか居ませんね。今朝校門で鞄を私の頭にぶつけ、運悪く同じクラスの隣の席になった高や…高ぁ…なんとか?パツキン野郎だ。



くそー。痛々しい視線が。



クラスの人達は、私達を避けて通るのにコイツだけは私達の真後ろに立って。なんだよ、コイツは!
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