天神学園高等部の奇怪な面々30
「おぅ、かなこ」

物思いに耽っていたかなこに、龍太郎が振り向いて声をかける。

「お前昼飯食ったか?」

「え、うん、食べたけど」

「そっか、まぁいいや、じゃあデザート代わりだ」

龍太郎はまた歩き出す。

「先に購買行って待ってろ、手間かけた詫びに、パンでも奢ってやらぁ」

貧乏の癖に、やるな龍太郎。

「今回の修理の代金としちゃあ、安すぎるけどな」

龍太郎は笑いながら歩いていった。

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