天神学園高等部の奇怪な面々30
まぁ今回は、あの乳牛は置いておく。

雛菊だ。

ケーキの入った箱を持ったまま、翡翠は学園校舎内を歩き回る。

あの女は性格上じっといていられない筈。

ならば寮で大人しくしているという事はないだろう。

そう思って、まずは天神学園に来てみたのだが…。

校舎内に、あの小麦色の娘の姿はない。

難儀だ。

学園以外の場所にいるとなると、見つけ出すのは難しくなる。

生憎と翡翠は、妻のように雛菊の連絡先を知らないし、奴と電話やメールで話すのは何となく『仲がいいのね(はぁと)』と思われそうで面白くないのだ。

< 65 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop