天神学園高等部の奇怪な面々30
褐色少女、丹下 雛菊はやたらと喧しい。

恐らくこの間までテレビでしていたオリンピックを見て、影響されたのだろう、自分で実況しながら走り高跳びをしている……アホだ。

アホだが、彼女が自身で実況する通り、そのフォームは実にしなやかで伸びやかなものだった。

カモシカのようなスラリと伸びた脚で加速し、片足で踏み切ったかと思うと、そのスレンダーな体を反らして背面跳び。

バーに掠める事さえせず、雛菊はクッションの上に落下した。

「成功したぁああっ!雛菊選手2メートルを成功ぉおぉっ!女子走り高跳び金メダルうぅううぅっ!」

…完璧に影響されている。

が、オリンピック金メダルは大袈裟としても、2メートルという記録は女子走り高跳び高校歴代1位の記録、1メートル90を上回る。

雛菊の運動能力は超高校級なのだ。

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