フクロウの声
髪を高く結い上げることに違和感はないものの、
初めて履く袴には違和感があった。
境内を進むと、隊士らしき男たちの姿があちらこちらに見える。
皆、屈強そうな体つきの男たちである。
前髪を眉のあたりで揃えているマオリの姿は
元服前の子供のように映っていることだろう。
その視線にマオリはうつむいた。
これからどうなるのか、
有松に来た時よりも不安がたちこめていた。
この建物の中に土方がおり、沖田がいるのだ。
「おい、ガキがなんの用だ。」
一人の隊士らしき男がマオリを呼び止めた。
鍛え上げた筋肉が透けてみえるような、
がっしりとした体つきの男は、
飛び跳ねる毛先を撫で付けるように無造作に結わえていた。
「あの・・・土方さんはいらっしゃいますか?」
マオリは怖気づきながらも男にたずねた。
「おいおい、聞いてんのはこっちだぜ。」
男は首をかしげた。
おまけに声が大きい。
境内の隊士たちが何事かと視線を向ける。
マオリはますます不安がこみ上げ、黙り込んだ。
初めて履く袴には違和感があった。
境内を進むと、隊士らしき男たちの姿があちらこちらに見える。
皆、屈強そうな体つきの男たちである。
前髪を眉のあたりで揃えているマオリの姿は
元服前の子供のように映っていることだろう。
その視線にマオリはうつむいた。
これからどうなるのか、
有松に来た時よりも不安がたちこめていた。
この建物の中に土方がおり、沖田がいるのだ。
「おい、ガキがなんの用だ。」
一人の隊士らしき男がマオリを呼び止めた。
鍛え上げた筋肉が透けてみえるような、
がっしりとした体つきの男は、
飛び跳ねる毛先を撫で付けるように無造作に結わえていた。
「あの・・・土方さんはいらっしゃいますか?」
マオリは怖気づきながらも男にたずねた。
「おいおい、聞いてんのはこっちだぜ。」
男は首をかしげた。
おまけに声が大きい。
境内の隊士たちが何事かと視線を向ける。
マオリはますます不安がこみ上げ、黙り込んだ。