フクロウの声
「私の代わりに戦うと言ったんですか、マオリは。」

「ああ、本当におめえのようだった。

西軍のやつらからも死神だと恐れられてる。」
 
沖田は布団をぎゅっと握り締め、息を止めた。

「おい、総司。」
 
ごほごほ、と沖田は咳き込んだ。
土方は体を乗り出して背中をさすった。

「無理するな・・・。」
 
辛そうに咳き込みながら沖田は顔をあげ、
土方を食い入るように見た。

「土方さん、頼みがあります。」
 
いつも笑って土方をからかう沖田の真剣な眼差しに、
思わず土方も体を固くした。

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