フクロウの声
「総司!おまえはあれでいいのかよ!」
永倉が港のマオリを見つめ続ける沖田の肩をぐっと掴んだ。
細くやせた肩が永倉の力のままに崩れ落ちた。
沖田の顔を見て永倉ははっとした。
沖田は両手で顔を覆い、
そのやせ細った指の間が濡れている。
ひくひくと上下する喉が、
押し込めても押し込めても這い上がる言葉を飲み込もうとしていた。
全身が血に染まった。
これだけ続けざまに相手をしているものだから、
おれといえどいく太刀かは浴びたが、
マオリの血なのか誰の血なのかわからないほどに真っ赤になった。
血を吸った着物が重い。
マオリの体もそろそろ限界に来ている。
おれは敵を薙ぎ払いながら一歩引いた。
このまま逃げる。
一瞬の隙をついて、おれは走り出した。
「待て!」
無論、相手もやすやすと逃してはくれまい。
おれは走りながら時折振り返り、追いついてきた敵を斬った。
斬っては逃げた。
永倉が港のマオリを見つめ続ける沖田の肩をぐっと掴んだ。
細くやせた肩が永倉の力のままに崩れ落ちた。
沖田の顔を見て永倉ははっとした。
沖田は両手で顔を覆い、
そのやせ細った指の間が濡れている。
ひくひくと上下する喉が、
押し込めても押し込めても這い上がる言葉を飲み込もうとしていた。
全身が血に染まった。
これだけ続けざまに相手をしているものだから、
おれといえどいく太刀かは浴びたが、
マオリの血なのか誰の血なのかわからないほどに真っ赤になった。
血を吸った着物が重い。
マオリの体もそろそろ限界に来ている。
おれは敵を薙ぎ払いながら一歩引いた。
このまま逃げる。
一瞬の隙をついて、おれは走り出した。
「待て!」
無論、相手もやすやすと逃してはくれまい。
おれは走りながら時折振り返り、追いついてきた敵を斬った。
斬っては逃げた。