フクロウの声
「山崎さん。早く帰ったほうがいいようです。」
マオリは注意深く、
足音が近づいてくる方向を見据えながら数歩下がった。
「さっき斬ったやつらの仲間かも・・・。」
暗闇に複数の提灯の灯かりが見て取れる。
「面倒やな。ずらかるか。」
山崎は汚れたてぬぐいをかぶりなおし、
立ち去ろうとした。
「四方に散りました。どうしますか。」
マオリはおれの伝えた感覚を使い、
敵の位置を探る。
「へえ、千里眼というわけか。すごいなあ。」
沖田が感心して声をあげる。
まったく緊張感の感じられないその声にマオリは戸惑った。
「来ますよ。戦えますか?」
マオリは沖田の調子に焦りながらたずねた。
「じゃあ、今度は私がお手並み披露としますか。」
沖田は両手をひらひらと振りながら
川に沿った三方の道の一方へ歩みを進めた。
それは、分散した敵が一番多く人数を割いている方向だった。
すぐそばの物陰まで来て潜んでいるのが感じられる。
マオリは沖田に背を向けて、
闇から向かってくる攻撃にそなえた。
山崎も隠していた刀を抜いた。
三人は互いに背を合わせる格好となった。
マオリは注意深く、
足音が近づいてくる方向を見据えながら数歩下がった。
「さっき斬ったやつらの仲間かも・・・。」
暗闇に複数の提灯の灯かりが見て取れる。
「面倒やな。ずらかるか。」
山崎は汚れたてぬぐいをかぶりなおし、
立ち去ろうとした。
「四方に散りました。どうしますか。」
マオリはおれの伝えた感覚を使い、
敵の位置を探る。
「へえ、千里眼というわけか。すごいなあ。」
沖田が感心して声をあげる。
まったく緊張感の感じられないその声にマオリは戸惑った。
「来ますよ。戦えますか?」
マオリは沖田の調子に焦りながらたずねた。
「じゃあ、今度は私がお手並み披露としますか。」
沖田は両手をひらひらと振りながら
川に沿った三方の道の一方へ歩みを進めた。
それは、分散した敵が一番多く人数を割いている方向だった。
すぐそばの物陰まで来て潜んでいるのが感じられる。
マオリは沖田に背を向けて、
闇から向かってくる攻撃にそなえた。
山崎も隠していた刀を抜いた。
三人は互いに背を合わせる格好となった。