letter〜天国のキミへ〜 (「悲しみの桜」続編)
奈緒姉は流れ落ちる涙を

こらえ、

「ごめなさい・・・。

心成に私はひどい事言っ

た!

私は心成を信じてやれな

かった・・・。

私は・・・」と言うと、

こらえていた涙が滝のよ

うに流れ出した。
それはまるで幼い子供が

泣いてるようで、呼吸を

する事も忘れていて、と

ても苦しそうだった・・

・。

俺は奈緒姉の手をつかみ

、胸元に引き寄せた・・・



しばらくすると、奈緒姉

は俺の胸元で落ち着きを

取り戻し、

「もう少し・・・。

もう少しだけ、このまま

でいて・・・。

ねぇこの街出て行くなん

て言わないよね・・・?

」と俺の胸元でささやい

た・・・。

俺は無言のまま、奈緒姉

を抱き寄せている手を、

ほんの少しだけゆるめ

た・・・。
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