先生、“生きる”ってなんですか?【完】
「…今西」
「なんですか先生」
「その…学校はどうだ?」
恐る恐る、壊れものを扱うように丁寧に優しく先生は聞いてくる
気を使って、くれているのだろうか
こんな私のために
やっぱり先生は優しいなぁ
そう思う反面、私が生徒だから優しくしてくれるんだと思っている私がいる
きっと先生は純粋に私を心配してくれているはずなのになぁ
人を疑うしか出来ない私が嫌になる
「…今西?」
「へ?あ、学校…ですか。とりあえずは行ってます」
「そうか、今西はえらいなぁ」
「これが普通なんですよ。えらくなんか、ありません」
「いや、今西は偉いよ」
私は不登校で
両親はそのことを理解してくれなくて
無理やり学校に行かされることもあった
両親に情けないと言われることもあった