先生、“生きる”ってなんですか?【完】
気づいたら俺は浮いてた
みんな泣いてるのがよくわからなかった
「泣くな」って由良に言ったら無視された
触れようと思ったけど通り抜けて触ることが出来なかった
そしたら黒い棺おけに入って寝る俺がいて
初めて死んだとわかった
その時、
「せんせっ、せんせぇ…!!!!」
愛しいあの子の声が俺の耳に届いた
声のした方を見ると今西が泣いていた
俺に寄りかかってないていた
彼女は、俺がいなくなったらどうなってしまうのだろうか
今度こそ、一人になるのだろうか
今西に向かって手をのばした
「今西…」
やっぱり触れることは出来なくて
自分の手が透けていく
だんだんと薄くなる体
あぁ、俺は消えるのかと頭のどこかで理解した
俺はもうこいつらと会えないのかと思った