先生、“生きる”ってなんですか?【完】
「先生、私やっぱり学校は嫌だ」
「何でだ?何かあった?」
先生は採点を一旦やめて私を見た
少し、この目が苦手だ
真っ直ぐな穢れがない瞳から逃げるように私は俯いた
「…死ねって言われました」
「は?」
「学校に来なくてよかったのにって、言われ、ちゃいました」
「っ今西」
ぎゅっと強く先生に抱きしめられた
優しくて、とても居心地のいい先生の腕の中
私の涙腺は崩壊寸前だった
「せ、んせ」
「…ごめんな、今西。ごめん」
「なんで先生が謝るの?私が悪いのに」
「今西は何も悪くないよ」
「そう言ってくれるのは、先生だけです」
少し私を抱きしめる力が強くなる
まるで「大丈夫」と私をなだめるように