一度きりの夏だった
・・・え?
遥はあたりを見回す。
「あ・・・。」
祐太。
祐太は電話を切って、遥にあゆみ寄ってきた。
「遥。誰?」
「いとこ・・・。」
「ホント?楽器持ってたけど?同じ部活の人なんじゃないの?」
「いや!ほんとに違うって!」
祐太は飽きれた。
「よくわかんないや・・・。」
「・・・。」
なにも言えない。
なんでそんな顔するんだよ。
今まで私のこと放置してたじゃん。
「遥。」
え?
・・・笹原純。
「どうしたの?」
「え・・・あ・・。」
遥は戸惑う。
「俺、栗木祐太って言います。」
遥をはさんでふたりが話す。
「あ、笹山純です。」
「遥は俺の彼女なので。」