一度きりの夏だった
「あ、そうなんだ。」
笹山純は、そっけなく返事した。
「ということで。」
そうして、祐太は陸上教室に戻った。
「ねー。あの男のどこがいいんだよー。」
純は永遠のきいてくる。
「ちょーーーーー性格悪そう!」
さっきのことを根に持っているようだ。
「初対面であれってなかなかないぞ?むかつくー。」
「まぁまぁ。」
遥はめんどくさそうに言う。
「顔も絶対俺のほうがましだぜ?」
「げ!ナルシスト!」
「いやいやここは誇れる!」
遥は吐く真似をした。
でも、今日の。
ちょっと嬉しかったかもしれない。