夢を売りに


男は、そう言いながら棚からもう一つの夢の塊を出して来た。





黄色く濁ってかなりの腐敗臭がした。




表明もぶよぶよして腐りかけてるようだった。




「これが、四十一歳作家志望の夢の塊だよ。

今は、確か君より歳上だよ。

過去の実績も君より上だよ。


文芸誌の大賞は、取ってないが一冊か二冊は、本を出したみたいだよ。


ところが、こういうの状態だよ。」




俺は、思わず目を背けた。


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