夢を売りに


男は、生年月日だけ確認すると免許証を返して来た。




「あの~夢を買い取るってどういう意味ですか?」




「そのままの意味だよ。君は、夢があるかな?」




男がめんどくさそうに言った。




いきなり夢があるかと言われて俺は、戸惑った。




「夢なんてないだろう?
あってもその歳だと恥ずかしく言えないだろう?」




男の顔に意地悪な笑みが浮かんでいるように感じた。




「夢、ありますよ。
夢があったら悪いですか?」




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