馬鹿ですけど何か?




まだつないだままの手をぎゅっと握り直し、

一直線につながった視線を避けるように私は言った。


「えっと、昨日、あいつの唇奪い隊という部隊を結成したんですが…、

ご入隊なされますでしょうかでございます?」


「…隊員は誰がいらっしゃるんですか?」


痛いところをつかないでくれよ。

第2号には逃げられたんだよマイダーリン…


「わたくし1号のみとなっておりますですが何か問題でも?」


「入隊させていただきます隊長!」


何故か満面の笑みでそう言われ、私は1号から隊長に昇格しました。



---


新隊員の入隊後、教室に行くと、

りっちゃんとゆうちゃんとあっくんが私の席で談話中でした。


わーお私の座る場所がナイヨー、と心の中で叫びながら、蓮の席の方についてった。


「お!朝から発情期!おっはよ!」


爽やかなイケメンボイスが耳の穴を通って抜けていった。

どうやら幻聴のようだ。


「今日って最初の授業なんだっけ?」

「知らん。睡眠学習じゃね?」


そんな会話をしながら、私は蓮の机にかばんを置く。

教室の壁にかけてある時計を見ると、チャイムが鳴るまで後約2分。


「よし、ここに楓の筆箱と体操着があります。

…叩いてかぶってじゃんけんぽん!」


私たちはこの遊びで2分間奮闘することになりました。




< 8 / 18 >

この作品をシェア

pagetop