馬鹿ですけど何か?
私がじゃんけんに負け、蓮に容赦のない筆箱チョップを食らったと同時に、蓮の頭にも手刀がヒットした。
「「痛い!」」
そしてみごとに私たちの声はリンクし、美しいハーモニーを(以下略)
「蓮くん何してらっしゃるの?」
手刀をかましたあっくんが腕を蓮に掴まれたまま満面の笑みで言った。
どっちのセリフだよ、ってツッコミは心の中で入れて。
「朝からかえちゃんといっちゃいちゃこらこらしやがって!」
プンスカ、という効果音を出しながらあっくんは頬を膨らませた。
せっかくの可愛いお顔が台無しだよ。
「してないですー。」
蓮の冷静な返答に、少し傷つきながらも事実だから否めない。
チューすらしたことないですよーだ。
2人の会話をニヤニヤしながら眺めていると、ツンツンとほっぺをつつかれた。
「ん?」
振り向くと、私よりも背の小さいゆうちゃんが。
毎日見てても飽きない可愛さだなーと思いながら、ゆうちゃんと目を合わせる。
「女の子は女の子の会話をしようじゃないか。」
と、さっきのあっくんとさほど変わらない笑顔で言われ、連行される。
結局蓮達と同じ会話をする事になるのね…
あっ、でもでもでも。
今日は、あの…ね。
放課後に、ね。
これは報告しなければ。