キスを落とす25箇所
「お前のせいで汚れたんだ。綺麗にするのはお前の仕事だろ?」
ピシっと糊のきいたワイシャツに、丸一日経っても寄れないブラック・スーツ。
すらりとした長身に、洗練された身のこなし。
黒曜石をはめ込んだみたいな切れ長の瞳に、烏の濡羽色の艶やかな髪。
ハッとするほど真っ赤な薄い唇は、あたしのそれを求めて時折、牙を剥く。
──ああ、そうね。
彼はまるで野生の黒豹のみたいなイイオトコだわ。