オオカミヤローに捕らわれて
ヒ…ヒャアアア!私この人とぶつかっちゃったんだぁ!!


分かるよ!だって統牙とぶつかった時と衝撃似てたし!


成見家のメイドになるきっかけになったあの日と非常によく似た状況に、頬が引きつった。


「す、すみません!あ、あの、急いでるんで失礼します!!」


失礼だとは分かってたけど、今の私には時間が無い!


ペコリとお辞儀をして、またまた走り出した。


「待っ……」


ん?今何か聞こえた?


だけど周りウルサイし、気のせいだよね!


――この時、本当にぶつかった男の子に呼び止められてたなんて


私は気づかなかった。
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