オオカミヤローに捕らわれて
カードをヒラヒラ動かす安岡の口の端は、妖しく笑ってる。


オレも道も吹雪も、嫌な予感がした。


目を凝らしてよく見ると、カードはバースデーカード。


『Happy Birthday、Hubuki』の文字の周りを、色々な筆跡の文字が囲んでいた。


『ふぶきお姉ちゃん、おたん生日おめでとう!』


昇の子供らしい丸い文字に


『いつも家の事手伝ってくれてありがとう。これからもよろしくね』


母親のキッチリした大人の文字。


他にも4人の家族からメッセージが書かれたカードは、未だ安岡の手の中だ。


「返して下さい」
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