オオカミヤローに捕らわれて
キッと厳しい顔で安岡に近づいた吹雪は、片手を差し出す。


しかし何が気に入らなかったのか、安岡は――――……


「な…によ!こんな物!!」


「「「…………っ!?」」」


吹雪の目の前で―――…バースデーカードをビリビリに破り捨てた。


長方形だったカードは、無残にもヒラヒラと切れっ端になって、安岡の周りに散らばる。


「お……前!!何してんだよ!!バカじゃねぇの!?」


いつも優しい道も、さすがに怒鳴った。


「だって……」


「だっても何もねぇ!吹雪ちゃんに謝れよ!!」


「……っ、吹雪………」
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