オオカミヤローに捕らわれて
急いで吹雪を見ると……両頬に一筋の涙が流れていた。


次第にその瞳が、怒りで燃え上がる。


「何するのよ……!幾ら私が嫌いでも、こんな事するなんて………!!」


「え?吹雪ちゃん?」


道は吹雪がいきなり敬語を取った事に驚き、口を大きく開けていた。


「な、何よ!バースデーカードごときでそんなに熱くなって……!!てゆーか今敬語使わなかったわよね!?統牙君、この娘メイド失格よ!!」


自分のした事を棚に上げ、大声でオレに訴えかける安岡。


でもポロポロ涙を流して、肩を震わせている吹雪を目にしてるオレには届かない。
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