オオカミヤローに捕らわれて
涙で潤んだ目を見開き、驚いた様子の吹雪を、グイグイ引っ張る。


扉の前まで来ると、一旦足を止めて、道に視線を移した。


「道、そのバカ女どうにかしといてくれ。礼はキッチリするから」


「礼なんかいらねぇよ。元々オレのせいでコイツここに来ちまったんだし……後はどうにかしておくよ」


ニッと微笑む道に頷き、吹雪と共に外へ出た。


さて…どこ行くかな。


「あ、あの統牙様……?何もあそこまで言わなくても、私なら……」


「お前ちょっと黙ってろ。後敬語使うな」


とりあえず目に入った空き部屋に、吹雪を押し込んだ。
< 157 / 430 >

この作品をシェア

pagetop