オオカミヤローに捕らわれて
ニヤニヤ幸せに浸っていると、吹雪がリンゴをジッと見ながらポツリと呟いた。


「?なんだよ。リンゴがどうかしたのか?」


「ああ…イヤ……何でもないよ。気にしないで」


問いかけても、アハハと笑って何も言わない吹雪。


リンゴがどうしたのか気になったけど、オレも聞かない事にした。


「吹雪、花火大会浴衣着るのか?着させてやろうか」


「結構です!!」


吹雪をからかい、カワイイ表情を見て、幸せを貰う。


まさかたった今吹雪の頭の中に、図書館で出会ったアイツの姿が浮かんでいたなんて


オレは知る由も無かった。
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