オオカミヤローに捕らわれて
私の主はどっから出したのか、チャッカマンで持って来た花火に1本、火を点けた。


街灯と星、それに家の明かりだけが照らしていた公園内に、花火の色とりどりなキレイな光が舞い踊る。


「ここだとお前と2人で花火出来ると思って、連れて来た。逃げたら許さん」


―――アナタは分かってるの?


私…もうずっと前から……アナタに対して“お坊ちゃま”とは違う気持ちがあったんだよ?


必死になって否定し続けて来たけど…そんな事言われたら……


見て見ぬフリをし続けて来た気持ちが……溢れ出てしまう。


だから……だからもう――――…
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