オオカミヤローに捕らわれて
ジンワリと、涙で歪む視界。


暗くて見えないだろうけど、急いで手で拭った。


「私も花火やろっかな……」


「おお。コレなんかオススメだぜ」


私達は予想外の2人だけの花火大会を楽しむ事にした。


適当に花火を選んで火を点ける度に、赤、青、黄と、公園の芝生がカラフルに染まる。


勢い良く噴き出す火花と同じ様に、私と統牙も色んな話をした。


「私ん家毎年家族で海行くんだ。今年も夏休み入ったばかりの頃、行ったの」


「へぇ。オレも去年道と海行った」


………家にあんなに立派なプールあるのに、海行くんだ、この人。
< 214 / 430 >

この作品をシェア

pagetop