オオカミヤローに捕らわれて
声をかけて来たのは、統牙や中曽根様と同じ京茗学園の生徒らしい、伴路様。


まさかの4回目の遭遇に、若干顔が引きつった。


「あの……統牙…様と花火してて………今統牙様トイレに入ってるので、待ってるんです」


正直に話したのに、目の前の伴路様の顔が曇る。


なんで?私何か悪い事言っちゃった?言ってない……よね?


「…………なんでメイドの君が、2人っきりで成見と花火してんの?おかしくない?」


あっ…!しまった!


墓穴を掘ってしまった事に気づいて、両手で口を塞ぐ。


伴路様は鋭い疑いの眼差しで私を見ていた。
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