オオカミヤローに捕らわれて
無い………“今”はな。


「吉良」


壁際に姿勢良く立ってた吉良を呼びつけた。


「何でしょうか、統牙お坊ちゃま」


「……コイツ、ここの新しいメイドにするから。よろしく頼む」


「……のええっ!?」


―――のええって……日本語かよ。


「お前変な叫び声上げてんじゃねぇよ。ビビっただろうが」


呆れとキツさが混じった視線を送ると、女は口を開けたり閉じたり、完璧パニック顔。


次の瞬間、オレは女に詰め寄られていた。


「ど、どういう事!?新しいメイドって……意味が全くもって分からないんだけど!?」
< 25 / 430 >

この作品をシェア

pagetop