オオカミヤローに捕らわれて
「言えるワケ……無いよ………絶対フラれるもの、私……」


告白して、想いが通じ合わなかったら、統牙と気マズくなっちゃうかもしれない。


ヘタしたら―――メイドもやめさせられちゃうかもしれない。


そんなの嫌だ………絶対に。


だったら今の状況をキープしといた方が、ずっと楽なハズ。


統牙の傍にいたいから………私は想いを伝えない道を選んだ。


「ありがとうまちか…話聞いてくれて」


ハンカチを取り出して、ゴシゴシと涙を拭く。


まちかが何かを言いたそうなのを必死に耐えている事に……


私は気づかなかったんだ。
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