オオカミヤローに捕らわれて
「じゃあな統牙。じゃあね吹雪ちゃん。また来るわーー」


それから幾らか時間が経って、中曽根様とまちかは再び一緒に帰って行った。


「………」


隣に立つ統牙は、何だか表情が怖い。


「統牙……?どうしたの?眉間にシワ寄ってるよ?」


勇気を振り絞って、恐る恐る尋ねると………目を逸らされた。


「何ともねぇよ。オレちょっと昼寝するから、起きるまでほっといてくれ」


「えっ…統牙……」


咄嗟に呼びかけるも、統牙は無言のまま姿を消した。


この時から?それとも花火大会の日から?


私達の何かが、狂い出していたのは。
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